ITベンチャーは皆優秀な技術者を欲している…? ― 2006年12月12日 00時09分44秒
釣堀と 知って突っ込む 恥知らず>ヲレ
- ソフトウェア産業の究極の振興策 (仙石浩明の日記 さま)
- 日本のソフトウェア産業を振興させたいなら大企業を一つ潰せ (スラッシュドット ジャパン)
初出の日記記事が釣堀なら、それを受けてタレこまれたスラド記事もまた激しく釣堀なワケだが。みんなすきだなー。
ほとんど全ての IT ベンチャーは優秀な技術者を渇望している。
みんな、自分の技術力や企画力、経営能力などに自信があるから、ベンチャー (冒険家) になるのだと思うのよね。だから、そういう類の企業が、新たに優秀な技術者を渇望するのは、何らかのビジネスの形が整って、軌道に乗ることができてからだと思う。
実際には、何かプログラムを作ってみたところで、じゃあそのプログラムの開発を続けてゆく (大概のプログラムってのは、一度作ったらハイオシマイじゃなくて、延々機能を加えたり修正を加えたりして育て続けてゆくものなのよ) にあたって、そのプログラムを用いてどういう形で金を稼ぐのか、という辺りで苦心しているところがほとんどなんではないかと思う。Web アプリや PC 向けアプリなんかじゃなくて、もっと専門性の高いシステムとか組み込み系とかだったら話は別なんだろうけれど、そうでもないと無料でもない限りなかなか使ってもらえなかったり。広告料で稼ぐモデルってのは Google みたいにインフラを自力で整えられるぐらいでないとそうそうやっていけないものだし、募金を募るフリーソフトウェア開発者の多くは他に仕事を持っている人たちだったりする。仕方ないから作ったプログラムは宣伝用に公開だけして、知名度を元手に人材をアウトソーシングするとかそんな感じになるんだろうけど (そうなりゃ確かに人手は欲しいところだ罠)、でもそれって所謂ベンチャーと言えるのかというと。。。
本当に先見的なことに挑戦する企業であれば、それがベンチャーであっても有能な人間は自然に集まってくるものだとも思う (逆に、所詮 Web で遊べるおもちゃを作ってる企業だって思われるような会社に、いわゆる大企業の研究所に勤めるような研究職志向の人材が入ってくるとは思えない)。大企業志向は確かに根強いけど、基本的には自分がやりたい仕事ができる場所に行こうとするものじゃない? だから、新興企業が本当に有能な技術者を集めたいなら、まずは創立メンバーがそれなりの成果を上げることが先だと思う。自分たちよりむちゃくちゃに頭のいい部下を雇ったって、それこそ死蔵させてしまうだけだし、そっちの方がよっぽどもったいない。もちろん、ちゃんと使い道があって、そういう人を雇おうというのなら、話は別だけど。。。それこそ、いきなり自分のところで雇うことを考えるのではなくて、他所んとこの研究所なり大学なりに話を通して相談したり交渉したり協力を要請したり、ってところからまずは始めるのが筋なんじゃない? あるいはちょっと気が長い話ではあるけれど、逆に自分とこの人材に研究テーマ持たせてどっかの大学院大学とかに受験させて修行の旅に行かせるとか。
ただ、この国の制度があまりにも安定志向に過ぎていて、それゆえに挑戦しようという気概のある人が出にくいという土壌の問題は無いとは思えないし、破壊的なイノベーション
と言えるほどのパワーを求めるには、確かにあんまりにも弱いよなあという気もしないでもない。ソフトイーサとか、それなりに面白いものはいくつかあるんだけどね。
たとえば Python なんかは、元々はクリスマス休暇のプロジェクトだったなんて話もあったりするわけで、長期休暇に関する制度がもうちょっと充実してくれるだけでも、実は結構違ってくるんじゃないかとか思っちゃったりもするわけなんですけどね。わざわざ大企業を潰す必要なんか無くて、つまらない仕事しか寄越さない会社からはむしろ技術者の方から逃げていくような土壌を作ること。どちらかと言うとそういうことのほうが必要なんじゃないかと思う。
ちゃっ○ま~ん ― 2006年12月12日 19時15分39秒
魚を焼こうと思ったら、借家に据え置きのコンロのグリルに火がつかないので、仕方なく 100 円ショップに行ってちゃっ○まんのばったもんを買ってきた。火がついたよ。ありがとうちゃっ○まんのばったもんさん!!
で、そいつのパッケージに↑の画像のような写真入りで「花火の着火に」とあったわけだが。。。
。。。すげぇな。その規模の花火を、おいらも一度は着火してみたいよ。
仕事はちゃんと終わらせてから出てってね。 ― 2006年12月12日 22時00分15秒
釣り餌と 知って食いつく 以下省略
- 戦略的に会社を利用する (仙石浩明の日記 さま)
スキル向上に役立たなくなった仕事はどんどん捨てるべきである。 なぜなら技術スキルこそが、技術者にとって最大の資産であるからだ。 目先のキャッシュフロー (若いときの給料) にとらわれることなく、 将来のキャッシュフローを生み出すストックをどうやって積み重ねていくかを第一に考えて欲しい。
- 忘れろ、でも捨てるな (404 Blog Not Found さま)
ある仕事を、「スキル向上に役立たなくなった」と結論づけるのは、実に難しい。少なくとも私はそれほど賢くない。ただ、そのやり方で煮詰まった時には、そのやり方を「とりあえず忘れる」ということはよくやる。勘違いしないでほしい。「忘れる」と「捨てる」は違う。「忘れる」は「思い出しにくく」することで、「捨てる」は「思い出せなくする」ことだ。
小飼氏の微妙に論点ずれっぷりはまぁ、いつものこととして。。。(じゃあわざわざ引用するなよw)
仙石氏の記述は、いわゆる「シューティングゲームができる人の理論」である上に、第三者が置いてきぼりなのが微妙に気になるわけですが。。。
仕事って、そんなにいうほど簡単に、辞めようと思って辞められるものでもないし、転職しようとして転職できるものでもないと思う。っていうか、例えばおいらが経営者の立場で、「自分のために役に立たないからやーめよ」と言って簡単に辞められちゃうような人を、雇いたいと思うかっていうと。。。
実際そうやって辞めちゃう人っていないわけでもないし、つか、実際には逃げちゃうわけだけれども、一緒に働いていた身として、あるいはそういう彼の身代わりになって働きに行っていた身としては、随分とまぁ身勝手というか、エライよなぁこいつ、というか。
もちろん、別のことがやりたい、それも具体的にやりたいことが見つかってしまった、というような状況があって、それに取りかかるにはとりあえず今の職から足を洗う必要がある、っていう場合に、自身に決断を迫るっていう場合も、もしかしたらあるかもしれない。そういう場合に辞めるべきかどうかを考えるべきであって、「役に立たないから」という動機付けで辞めるかどうかを考えるのは、自身を育てるという意味でもあんまり建設的ではないと思う。
そういう意味では以下の部分も気になったわけですが、
技術者にとっては、自らの技術スキルの向上が目的であって事業はその手段に過ぎない。
みんな技術スキル技術スキルって言うけど、流行りモノのなんだか良さげな技術のユーザーになることばかりを指して「技術スキルの向上」って思ってない? 仕事の遂行が目的で、そのための道具として技術があるって言うのは、経営者 (というか企業) にとっても技術者 (すなわち現場の人間) にとっても同じなんだよ。大切なのは技術を単に習得したかどうかじゃなくて、技術にどういう形で関わったか、そしてその技術を以って何を成し遂げたか、という経験であるはずだ。
そういう意味では、仙石氏は仕事というものに対してドライ過ぎるような気がする。それともおいらがしっとりしすぎなのかのう。。。
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