そろそろ就職氷河期世代を始めとした雇用問題への政治的解決についての議論に戻さないか?2008年03月19日 02時39分23秒

この記事自体は個人的には割りと好きなんですが、それはこの辺の議論というか、この辺の文章が、読み手の個人に生き抜きかたを示唆する可能性があるからだと思ってます。もともとうまく強く生きていた人は、自身の生き方について再点検・再認識できたかもしれないし、そうじゃない人には少しはましに生きるためのヒントになったかもしれない。

ただ、この辺の議論 (はてな界隈などでは「マッチョ・ウィンプ論」などと呼ばれていますが) の残念なところは、雇用問題としての就職氷河期に対する政治的救済というテーマについてまったく触れられていないために、政治に影響を与える議論にはあんまりなっていなさそうだという点にあります。これまで多くの日数と人的リソースを割いた割には、議論はあまりにも感情論に突っ走りすぎてはいませんか?

これがどの程度残念なことであるかを、プログラミング言語 Perl を例に取り上げて説明すると、この議論に登場しているウィンプというのは、コの業界では FizzBazz 問題も即答できない、 VB や PHP みたいなのが大好きな雑魚プログラマーに相当します。Web 界隈の雑魚プログラマーどもが自分らののーみそのキャパの狭さを棚上げして「Perl5 超ー使いもんになんねwwww」とか言うのと同じように、ウィンプたちも疲弊しきった心で「社会、超ー使いもんになんねwwww」と言っているわけです。そんな彼らに 「社会」はあなたを救わない。だけどあなたは「社会」を使っていい とか言ってみたところで、雑魚プログラマーに Perl5 は問題を解決しない。だけどあなたは Perl5 を使っていい とか言っちゃってるのと同じで、第一線でデスマーチに追われる哀れな雑魚プログラマーたちがそんな言葉に耳貸すわけがねーっちう話なワケです。

もっとも、 Perl の世界と現実の社会は仕組みがまったく違います。 Perl の世界は OSS の世界で、そこに群がるコミュニティーってのは、多かれ少なかれ Perl に興味を抱き、 Perl との利害関係を持つことを自ら受け入れようという人たちがほとんどなわけです。一方で、国政や市政に関心を抱き、それらに積極的にコミットメントしている日本人は、この国にどれほどいらっさるでしょうか? なまじ義務感を駆り立てる選挙の投票率でさえ、6割も行けば褒められるという状況で、彼らウィンプに希望の言葉だけを投げかけたところで、到底心には響かないでしょう。

OSS 開発経験者の純朴さは、この手の社会性に対する認識の乖離に気づかないまま、論理的な机上の理屈だけで理想を述べてしまったりすることがそれなりにあるんではないかと思います。それがまったく意味が無いとは思わないのですが、せめて所詮自分はその道のプロではないということをわきまえた上での発言に留めておいた方がよさそうな気はします。

さて、もちろんおいらも政治や経済や雇用の専門家ではないのでw、この話題について深く語るつもりは毛頭ないのですが、政治問題化する場合の要点だけ軽く書いて終わりにしておこうと思います。

NEET という言葉がいたずらに使われ始めたころから思っていたことですが、基本的にはこの問題は「雇用問題」として扱われるべきです。

次に、救済の対象は、その世代をある程度絞り込んだ方がいいかもしれません。もちろん、高齢失業者が救われる術がほとんどないということも問題ではありますが、こちらの救済が生活保護や年金の取り崩しなどをベースとした手当てで賄える可能性があるのに対して、就職氷河期世代と呼ばれる 30歳前後は本来であればこれからが働き盛りという世代であるわけで、手当てをベースに救済を考えるべきではないという違いがあると思います。

おいらも一時期使っていましたが、職業安定所が微妙に形骸化してしまっていることも問題であるように思います。職業訓練プログラムとかも一応いろいろと用意されてはいるのですが、いまいちぱっとしない。求人登録している企業はもっとぱっとしない。むしろ、求職者が企業のパンフもっていって「ここの○×課に就職したい!」って言ったら、「あなたのスキルではこれとこれの講義を受講することをお勧めします」とか言われて、受講料ローンで受講させてもらえてテストでいい点取ると紹介状にスキル証明書を添えて企業に打診してもらえて、ぐらいの仕事をこなしてくれるような機関であれば利用しがいもあるってもんなんですが、実際あそこに通う人々ってなんとなーく端末とにらめっこして判子押してもらって雇用保険ごちそーさまですみたいな (ていうかごちそーさまでした)、激しく鬱になるそんな場所だったからねぇ。。。

っとまぁとにかくそんな感じで、より快適なスクリプティング環境を目指して Perl6 や Catalyst やその他たくさんの CPAN modules たちの開発が行われているのと同様に、より快適な社会を目指してその仕組みの現状や政治的解決手法について、もっと語らいませんか? 特にそっちに詳しいひと。