ネットとバーチャルの混同2010年08月10日 04時39分26秒

はてなブックマークを利用するようになってから、ニュース記事や余所のブログへの言及記事を滅多に書かなくなってしまった。とまぁ、そこまでは別に気にしていなかったのですが、はてなハイクや Twitter をやるようになってから、今度はブログ自体をほとんど書かなくなってしまい、今に至ります。

ハイクも Twitter も、一度 post したら修正不可能なメディア。特に Twitter なんて文字数制限があるわけで、長文を綴るのには向かないツールなのに、何故かつらつらと長文を書きたくなってしまうことがちらほら。なんというか、あの何となくだらだらととりとめもなく書き綴る感じが、どうせ修正できないんだから校正とか考える必要ないかーみたいな投げやり感が、そして興味のある方がその場で割と手早くレスポンスを投げてくれるライブ感が、おいらをそうさせてしまったんだろうなぁとか思ったり思わなかったり。

いずれにせよ、ブログに書いておけばよかった級の長文が、この手のメディアで細切れ状態で漂うのはなんかもったいないので、今後はなるべくブログに書くようにします。ていうか、JASRAC 絡みの能書きなんて後でブログに起こす気満々だったんジャマイカ…もう今更だなぁ…どうしようこれ。

んで、こういう場でちゃんと長文を書くのもなんとなーくリハビリが必要な気がしたりするのでw、しばらくはとりとめもない話題でいくつか書いてみようとか思ったりする。あーブログ書くのひさびさできんちょうするなー (棒読み)。

割と昔からよく目にする構文なんですが、「ネットとリアルの混同」って奴。これって多分、ネット上でのやりとりが強いストレスになるケースがあって (2ちゃんでマイノリティ扱いされたとか、ブログなり Twitter なりで糞の投げ合いになっただとか、匿名でやっていた恥ずかしいことがハンドル名レベルで暴露されたとか)、それを実生活に引きずるが故に、仕事に支障が出たり、家族と喧嘩になったりするような、そういうケースを指してよく言われた言葉なんだと思う。

しかしまぁ、元々の表現方法自体に問題があるからだと思うんだけど、この言葉はたいていの場合、発言者の都合のよいようにネットと実生活を「別物」として扱いたい場合に用いられているのが実情なんだと思う。最近の使用例で思いつくのは、まぁこの辺とか。

百戦錬磨のネット論客 (笑) であるならば、そもそもネットはバーチャルでもなんでもなく、普通にリアルで利用されているツールというかメディアに過ぎない、ってことをよく理解している。だからネット上での発言も慎重なものになるか、あるいは極力自分で責任を持とうとする。間違いが指摘されれば調べ直して反論したり適宜修正を加えたり、とか。

だから、上記のようなケースは、それがネットであるが故の問題なのではなく、単に「プライベートと仕事を混同」しているだけだ、ということはすぐ理解できる。

ただ、ネットを「ある程度」バーチャルな空間として許容する空間もある。いや、空間と言うよりも、それは個々人の使い方によるもの、と考えた方がいいかもしれない。それは何かというと、匿名での参加および情報発信、である。

もちろんこれは、ハンドル名を用いて本名、素性を隠しているケースでも当てはまるんだけど、一連の発信内容から個人が特定されるリスクが高まることを思えば、完全な名無しさんの方が「バーチャル度」は高い、と言えるのかも知れない。匿名でネットを利用する人たちは、ネット上での発言や行動について、多くの場合その責任から逃れることが可能である為、ネット上での行動を、夢や妄想などの、実生活とは異なる概念として、精神的に切り捨てることができる。で、そういう使い方に慣れている人に限って、「ネット」と「バーチャル」を混同してしまうのではないかと思う。

いや、感覚的には割と前から漠然とそんな風に思っていたんだけど、こうしてしっかりと言葉にできるほどではなかった。

で、ネットでトラブルが起こるケースというのは、まさにこの、個々人が勝手に想定している「バーチャル」の領域と、社会の全体または一部、あるいは社会システムにおいて強い権限を持つ組織や個人が持ち込む「リアル」の領域とが、互いに衝突することによって生じているのではないか。例えば、ネットをバーチャルだと捉えすぎてしまったが故に暴走するケースとして、 OFF 会での悪ノリなんかが挙げられると思うし、領域の見極めに失敗したが故にトラブルとなるケースとして、 mixi でのダメ武勇伝 (犯罪行為とか) の開陳や、公私混同の動画うp (メガ盛りとか) による解雇などが挙げられると思うし、さらには公権力などの強い権限がバーチャルに過度に干渉するケースとして、犯行予告ジョークの度重なる摘発などが挙げられるんではないかと思う。

これらは当該ネット利用者からしてみれば、バーチャルだと思っていたものが突然リアルとして牙をむくわけで、言ってみれば悪夢を観て本当に死んでしまうグレイルクエストのような理不尽感なのだと思う。いや、七つの奇怪群島とか、めっさお気に入りでしたけどね。

そんなわけで、思い当たる節のある方なんかは、十分お気をつけくだちゃれ、ってなわけで本文を締めさせて頂きたいと思います。めでたし、めでたし。