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例えば、「美味しいタルトが食べたいな～」とか思った人が、検索サイトで「タルト」で検索した場合、Yahoo! でも上位に、そして Google ではトップに、エロゲーメーカーの Tarte が来てしまったりするわけである。もちろん、企業が企業名で検索された場合に上位に来ると言うのは企業としては健全なことであるし、その為に何らかの SEO 対策を施している場合もあるだろうが、結果として、多くの人々が、見たくないものを見させられている可能性が、検索サイトにおいては常に付きまとうのもまた現実ではあるのだ。

特に、アダルト商標とデザートの名称は被ることが多いため、多くの女性はこういう事情で嫌な思いをさせられているんではないかと妄想想像する。

処方箋としては、検索語とサイトに属性を持たせ、属性が一致するサイトを優先的に検索結果の上位に表示する方法が考えられる。そして、検索を行うユーザーに、属性による結びつきを優先するか否かを選ばせるようにすれば良い。企業名などの固有名称を探したい場合は属性は不要だが、例えばお菓子としてのトルテを扱うお店を探したい人には、属性の結びつきは重要、と言うことになる。そして、そのような検索が一般的になることによって、検索サイトのイメージも向上するし、検索される側のサイトにとっても事実上の検索ノイズが低減する (すなわち、絶対に顧客になりっこない人間の来訪が減る) ため、トラフィックを少しは抑えられるかもしれない (まぁ、そういう出会いが新たな顧客を作るんだ、とか言われちゃうと、何も言えなくなっちゃうわけですが)。何より、今の状況はユーザーにとって、決して便利であるとはいえないように思うのである。

しかし、実際に属性の結びつきを利用した検索を行うとして、それをどのように実現するのか、というところが結構悩ましかったりする。もちろん、サイト側には <meta> タグを使わせれば良いわけだが (つまり使っていることを前提として情報を収集する)、そこに記述される用語には当然ばらつきがあるだろう。例えば「デザート」と書くサイトもあれば、「洋菓子」と書くサイトもあるだろうし、「スイーツ」と書くサイトもあるだろう (スイーツはやめてくれとは微妙に思ったりしなくもないが)。もっとも、これらについては、より大きなカテゴリー「foods」(日本語名なら「食」といったところか) を設けてそこにすべて収まるようにすれば、乱暴ではあるが一定の信頼性は確保できるかもしれないし、それでも十分に需要に応えることはできると思う。

しかしそれにも増して、検索ワードに属性を結びつけるのは誰がやるのよ、という話がある。できれば検索サイトにやっておいて欲しいものだが、自動化には限界があるだろうし、人海戦術では信頼性の問題もある。そもそも Google はそんなこと絶対にやりたがらないだろうし。かといって、直行法、すなわち、検索を行うたびにユーザーに同時にカテゴリの指定も行ってもらう、というのでは、「検索サイトをうまく使って最適な検索結果を得る」的バッドノウハウを強要している現状からはそれほど前進していないことにもなってしまう。ユーザーに登録させて、それを編集可能とする Wiki 方式、辺りが無難なところかもしれない。もっとも、それで厨なユーザーが「タルト」を「アダルト」カテゴリに書き換えたりしたら一時的にせよ印象悪くしてしまうわけではあるが。