その exe ファイルは本当に安全? ― 2006年05月10日 14時18分27秒
前々から書こう書こうと思ってすっかり忘れていたことを高木センセーに先に書かれてしまった。。。_| ̄|○
最近では日本語圏でもトロイの木馬による被害は深刻なものとなっており、いよいよ、「拡張子を見ないでファイルを開いてはいけない」といった基礎的なリテラシーが周知されようとしているところだ。そんな折、「成分解析」なる.exeファイルが人気を博したというが、そういうものを安易にダウンロードして実行する人たちが大量にいたということが恐ろしい。それをまた注意もせず広めたITmediaの記事はにわかには信じがたいものだった。こんな内容のプログラムは.exe形式で作成する必然性は全くなく、Web上で安全性が保証されたプログラム(JavaScriptや、Javaアプレットや、Flashコンテンツや、サーバサイドのプログラム)で実現できるのであり、できるだけそうした方法でプログラムを提供するというのが、近代的なソフトウェア配布のあるべき姿とされつつあるところ、それをITmediaがブチ壊した。
あるタイミングで不正なプログラムではないようだと思われている .exeファイルが、ある日突然、悪質なプログラムに差し替えられているとも限らないと考えると、得体のよくわからない一般Webサイトで提供されている .exeファイル(未署名の)を紹介することさえ憚られる。そういう時代になってきた。
成分解析というプログラムについては、おいらも不思議に思うことがいくつかあった。結局おいらは「面倒くさい」と言うただそれだけの理由でこのプログラムを実行どころかダウンロードすらしていなかったわけですが (今回本記事のために参考のためダウンロードだけしてみた)、このプログラムに関する話題については、別な意味で実に興味深く見守っていたわけであったりする。以下、その疑問点を列挙しよう。
- 開発系、および経済系の IT 関連メディアでは、やれ PHP だの Ajax だの XML だの SOAP だのと Web 関係にばかり注目が集まるような時代において、こんな旧時代的なスタンドアロンアプリであっても、世間的に「動作が面白い」と思わせるようなプログラムであれば興味をひきつけることはできるんだなぁ、ということ。
- ITmedia の記事にて紹介されている実行画面を見て推測できることとして。どんなすばらしいアルゴリズムを内包しているのかは知らんが、MFC 初心者が安易に選びたがるダイアログアプリというスタイル、実行画面の左肩に見える、開発開始時にデフォルトのアイコン (しかもこれ、MS-VC++ 6.0 という、1997 年頃に発売されたかなり古いバージョンの開発環境によるものだね)、十分すぎる余白スペースにシンプルすぎる画面構成、あまりにも謙虚な「0.1」というバージョン番号 (今は 0.2b のようですが) などからは、開発者の、プログラマーとしての初々しさというか、若々しさといったようなものを激しく感じる。
- つか、イマドキ VC++6.0 なんて手に入るのか? 最近プログラムを始めたんだとしたら、一体どうやって入手したんだ?
- こんなもん、すでに Perl とかで書いて Web アプリとして同じようなものを公開しているサイトなんかが既にあるんじゃないの? こいつが先発なのか後発なのかは知らんけど。つか、Web アプリの方が、こんな感じで実行結果へのリンクを貼って共有できる分、使い勝手はよっぽどいいと思うんだが。
- ダウンロードしてみて。アイコンは有志に譲ってもらったみたいね。つか、CRAZY MODE って、単に
EN_CHANGE
を試してみたかっただけなんちゃうん?
別にこのプログラムを作成して配布している Clock さめを責めるつもりはこれっぽっちもないのですが、こんなものでよくもまぁこれだけ盛り上がったよなぁとは思うし、大して検証もされずに多くの人によってこの手の怪しげな EXE ファイルが実行されちゃうことは確かに危険だなぁとは思うし (開発者に悪意が無くても、バグがユーザーのシステムに何らかの損害を与えちゃう可能性が無いわけではないからね)、それを安易に広めるお手伝いをしちゃったゆかタソは確かにある程度は責任を感じるべきかなぁとも思うわけだが、全体としては極めてどーでもいい出来事だよなぁなどと思わなくもなく。
# 3 つ目のは iTMS で視聴できるよ。こういう .exe なら踏んでもいい(とかゆwww
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