それは「口説き能力」なんであって「コミュニケーション能力」では無いです。。。2007年03月12日 11時47分10秒

おいらが仕事の話で「コミュニケーション能力は大切だよ」とか言うときの「コミュニケーション能力」っていうのは、単純に、伝えるべきことを (なるべく) 正確に伝え、相手が伝えようとしていることを (極力) 理解する能力、のことを指します。現場で働いている人も大抵はそっちの意味で解釈しているはずです。

でも、営業や人事や経営者層、その他中途半端に偉い人とかは、そもこの言葉の意味自体を誤解していることが少なくないように思います。まず、口説くことが最優先で、実際に理解されているかどうかは二の次、ということになります。相手の話を理解するということに関してもあまり重要性が問い質されなかったりします。それが行過ぎると接待ドリブンの営業になっちゃうし、意思疎通が不十分であるからこそ、不治痛×凍傷みたいなトラブルにまで発展するわけです。

そういう意味ではこの大学が学生に指導している「コミュニケーション能力」とやらは、おいらの感覚からしてみれば糞の役にもたたん代物ですね。確かにプレゼン能力はあるに越したことはありませんが、そんなものはおまけというかツールであるに過ぎません。ヱライひとにはそれがわからんのです。技術者がプレゼン能力の必要性に迫られる場面なんて限られています。強いて言えば論文に数式のせなきゃあかんから TeX の使い方を習得せにゃならん数学者にとっての TeX みたいなもんです。その人は数学のぷろへっそなるなんであって TeX のぷろへっそなるであるっちゅー訳じゃない。

だいたいコミュニケーション能力なんてもんは大学で習うようなもんじゃないでしょ。いや、もっと前の、例えば小中学校のレベルでそういう科目があってもいいんでないの? って議論ならまだ頷けますよ、そういう能力が必要だと思う合意がその地域にあるんならやればいいと思う。あるいは職業訓練所とか個人セミナーとか? 会社の研修でビジネスマナーとかでも正直反吐が出るけどまぁアリかな? でも大学はそういう場では無いでしょう。そもそも大学って、よりよく就職するために通う施設なのか? あくまで同好の士とともに学問を追究する場なのであって、就職とかはあくまでその結果の一部に過ぎないんじゃないの?

もちろん、仙石氏の言うとおり、こんな本来必要とされているようなものですらない似非コミュニケーション能力をもつ人材を本当に企業が欲しているのだとすれば、それは馬鹿げた話だし、そんな企業に就職しちゃうのは正直どうかと思うけど、一方で大学側が、卒業生が就職もろくにできないような大学では世間的に価値が落ちて受験生が減り、これからの少子化の時代に生き残れないからと、カリキュラムを捻じ曲げてまで企業に日和っているのだとしたら、そんな大学にこそむしろ入学しちゃうのは正直どうかと思ってしまうわけなのですよ。自分がやりたいことのために生きる以前に、そも自分が学びたいことの為に割ける時間がこんなくだらないカリキュラムの為に制限されてしまうんだとしたら、こんなバカバカしいことは無いでしょう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
おいらがやっている会社の名前をひらがな4文字で。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://harapeko.asablo.jp/blog/2007/03/12/1254441/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

_ いぬのしっぽ - 2007/03/14 02:33:38

「人を動かす」感情的コミュニケーション能力と 「モノを動かす」論理的コミュニケーション能力 それは「口説き能力」なんであって「コミュニケーション能力」では無いです。。。 いわゆる「SE」といわれる職種がはびこる昨今のIT業界では、技術的素養よりもプレゼン能力の