国民宿舎はらぺこ 大浴場

法律は告示の後猶予期間を経て施行されるが、その猶予期間は何らかの根拠に基づいて設定されるべきであろう。
例えば一般的な家電のサイクル期間の平均とか。
たった５年で家電が入れ替わるなんて事は事実上あり得ない。現に何十年も同じものを使い続けている人はいるわけだし。

加えて法律の告示をミスっている。
業者なら関連する法律に目を通してチェックするのは当たり前だとは思うのだけど、それにしたって世間一般にも補足されないしニュースにもなったかどうかおぼろげなものだ。無理もない。
薬事法は結構大々的に触れ回ったんだけどなぁ。

一番大事なのが、”法律とマークを対応させたい”というところに一番重きが置かれている、と思わざるを得ないところ、かな。
消費者の安全とか何とかは多分二の次で、法整備をしっかりしようというのが一番の狙いだろう。
それは必要な事だ。
が。
それを急ぐあまりきちんと告示も出来なかった経産省の責任は極めて重い。

そもそも、この法律、確かに５年前に告示はしているけど、それを差し引いても”そんなに急いで告示、施行する程の法律か？”と思ってしまう。
５年の猶予期間は決して長くは無いぞ。

噂の東京マガジンでこの法律の事を取り上げていたのだけど、それを見ても否定的な意見しか出ない。
”一般の人にも全然PSEマークなんか知られてないし、せめてこのマークが浸透するまで施行は待つべきではなかったのか”とのこと。
ごもっとも。

この法律には当然各地で反対運動が起こっています。
「日本シンセサイザー・プログラマー協会」では、規制緩和に関する署名を求めているようです。
氏家大先生がんばれ～
規制緩和署名のページで書かれている、”ビンテージ機器は、法律の検査基準を満たす事は到底無理だし、かといって基準を満たすために電源部を交換したら音が変わっちゃう”ということが一番切実なように思えました。

ども、PSE法被害者の T.MURACHI です。
つか、わかってるんだからリサイクル業者なんかにゴミ回収依頼するなよ＞ヲレ(^_^;

で。
いわゆる「ビンテージ機器」は、正直おいらなんかはあんまり無関係だったりする。確かにいいものだけど、今更アナログシンセに手を出すのもなぁ。。。
その辺の愛好家の意見ってのもわかるんだが、はっきり言って少数派にも程があるって位の少数派だ。
つか、動いてたのって氏家さんだったっけか。おいらが把握しているのはマツタケさんと坂本教授。

個人的には、むしろ影響が大きいと思うのは、多くの企業がPSE法に準拠していないために資産価値が失われてしまう機械を工場まるごと大量に抱えているっていう事実だ。これも今ごろになって騒がれているわけだが、中小企業なんかはこれの影響で対応が遅れて債務超過出しちゃうところも結構多いんではないかという気がする。会計のやり方次第なんだろうけど。

もっとも環境負荷の無い「リユース」がしにくくなった、というのもある。もっとも、PSE 法施行後の製品であれば中古屋も買い取ってくれるのでまったく問題は無いわけですが。
世界的な環境保全の流れに逆行しまくりですなｗ

PSE 法の当初の目的は安全性の確保ではなくて、規制の緩和だったりする。安全基準は PSE 法以前とほとんど変わりないんだけど、その基準による検査を国主導から自主検査制に切り替える代わりに、国に事後申請することによって基準通りの検査が行われた製品に PSE マークをつけてもらえる、というやり方に変えたわけですな。
で、PSE マークを取得していない (安全ではないかもしれない) 製品が市場に流れるのを防ぐために、販売における縛りを法制化しているわけだけど、施行された 2001 年当初はまだ中古市場のことなどまったく考慮されていなかった。だから、この頃中古オーディオ扱っている企業から質問があったときには、「中古販売は PSE マーク無くても ok」っていう回答があった、という話もあるのよね。
この辺の、運用のずさんさ、方針のうやむやさが、話を深刻化させている、ってのが一番の失敗要因だとおいらは思うわけですが。