ケータイが必要な世の中にしたのは誰だ。2006年04月19日 15時19分57秒

中学や高校になると、都市部では電車による通学が有り得る。ここまで年齢が進むと、携帯電話を持たせるかどうかは本人の自主性に負うところが大きくなるのだが、逆にそれだけ多くの人に囲まれている状態で、携帯電話が安全を確保する装置として機能するかというと、そこは疑問の余地があろう。

痴漢にあったら、携帯で親にメールしてもしょうがあるまい。また事故などで電車が止まるようなことがあったとしても、果たして携帯電話で親に連絡してどうにかなるものなのか。

そういう時こそ、勇気を持って見ず知らずの他人に助けを求めたり、あるいは事故に対して何もできない自分に対して無力感を感じたりというほうが、社会生活に対する学習効果としては正しいような気がする。携帯電話のおかげで、自分だけが一本釣りで助かったような状況というのは、都市型社会では考えにくいのではないか。それよりも、見知らぬ他人とコミュニケーションをするという状況に強制的に身を置くというのも、一つの教育の考え方としてはアリかもしれない。

違う違う。使い方が間違ってますよ。連絡ってのは、非常時に使うものではなくて、無事であることを確認しあうためにするものです。どういう事件や事故に巻き込まれているか、それを解決するにはどうすべきか、などと言うことはこの際重要ではないんです。親はただ、子供の帰りが遅いことが心配なだけで、その理由を知るための連絡手段が確保されていることに安心を覚えるのです。

駅に掲示板があったり、街中のいたるところに公衆電話が設置されていた頃であれば、「ケータイは必要か不要か?」といった議論には意味がありました。ケータイを持っていなくとも、他に外出先からの連絡手段はいろいろとあったからです。おいらが子供の頃だって、当時はケータイなんて存在しなかったけど、親にテレフォンカードを持たされて、何かあったときにはそれを使って電話を入れるようにと躾けられていたものです。

ケータイの普及により、駅の掲示板はほぼ全廃と言う勢いで撤去され、公衆電話もあまり見かけなくなりました。ケータイを持っていなければ、他に連絡を取る手段があまりない世の中になってしまい、連絡のための生命線がケータイのみに委ねられるようになってしまいました。

これはこれで危険なことです。何故なら機械は、いや、機械を使う人間は、万能ではないからです。電池が切れてしまうかもしれないし、落として壊してしまうかもしれない。家に置きっぱなしで忘れてきてしまったために、待ち合わせていた人に多大なる迷惑をかけてしまったこともあります (ケータイのアドレス帳に慣れてしまうと、いちいち他人の電話番号を覚えなくなってしまう為)。紛失はそのまま関係する人間の個人情報流出に繋がります。連絡手段をケータイに依存すると言うことは、それだけ大きなリスクを背負うことになります。

そうしたリスクを軽減するには、公共の連絡手段が充実していることが絶対条件であるのに、実際にはかつて充実していた公共の連絡手段がどんどん失われてゆこうとしているのです。だから、結果として、ケータイに依存せざるを得ない状況に追いやられているのです。

そういう理由で、おいらは今の時代を生きる子供にケータイを持たせることは、かなり高い優先度で推奨されるべきことであると思います。

コメント

_ @DRK ― 2006/04/19 23:16:24

>待ち合わせていた人に多大なる迷惑をかけてしまったこともあります
テラナツカシスwwwwww

リンク先の方は、ケータイが生身の人間のコミュニケーションを阻害する、という事を考えているのかな?
そんな事は無いと思うけどね。
(便利すぎるものに頼り切る傾向を危険視?)

>連絡のための生命線がケータイのみ
これが一番の問題かな。
ケータイは確かに便利ではあるが、あくまでも通信手段の”一つ”であって、他の媒体を駆逐していいわけじゃない。
街中から公衆電話が消えていくけど、有事の際にまっさきにキャリアが溢れて使い物にならなくなるのはケータイで、その他の手段が残されていないことは非常に危険。
通信に限った話じゃないけど、ぶっとい線を一本作る(それで安心しちゃう)方式と言うのは、それが潰れたときには非常に脆くパニックになる。鉄道とか道路とか主力製品だけに設備投資する企業とかw

_ T.MURACHI ― 2006/04/20 00:08:50

>@DRK

> 有事の際にまっさきにキャリアが溢れて使い物にならなくなるのはケータイで

コミケとかコミケとかコミケとかコミケとかな。

# 最近はそうでもないのか? www

ちなみに、生身の人間のコミュニケーションを阻害する要素と言うのがあるんだとすれば、それすなわち家庭におけるコミュニケーションの希薄にあるのだと思っていたりするわけだがどうか? まぁ、それだけでもないんだろうけど。。。でも少なくとも、生身以外の方法によるコミュニケーション手段にニーズが集まるのは結果論でしかないんじゃないかと思うのよ。現に漏れらなんかは生身でのコミュニケーションを活性化させるためにネットやらケータイやらって言う道具を利用しているわけだったりするし。
2ちゃんねるみたいな匿名コミュニケーションに依存しちゃう人って言うのは、仮にネットが存在しなくても、多分漫画とかゲームとかの作品世界に依存したりして、結局は生身でのコミュニケーションから逃避し続ける現実に変わりはないんだろうし。もっとも、この辺は社会学やってる人間が公正な統計とって研究してみる価値が無くはないとは思うけどね。

_ なす ― 2006/04/20 10:03:38

最近、チャットで中高生と話してる俺が来ましたよw
ま、便利って物はいいはいいと思うんだが、結局、便利≒怠惰ということになるわけで。
携帯が悪いとは俺も口が裂けてもいえんわけで、というか、むしろ携帯はコミュニケーションツールとしてTV電話も出来るようになってより進化していいものになっているとも思ってるし。
ただ、「対話して話すこと」に関してだけ言えば、携帯というかメールやチャットなどは厄介な代物だね。
てゆーか、実際にチャットやメールでは普通に会話らしきもの(ああいうものを「会話」と思いたくなかったりw)が出来てても、いざ電話や対面したときに話すとなると何も言えないって奴が多いね。
そういうものの元をただせば、核家族化共働きによる家族間のコミュニケーションの薄弱化、ってところなんだろうが、ま、んな話は他に任せればいいとして、だ。
…って、何が言いたかったんだ、俺は(^^;
要は、物は使いようってことで(違

>社会学やってる人間が公正な統計とって研究してみる価値が無くはないとは思うけどね。
これは俺も賛成。いい研究課題だと思うけどな。

_ @DRK ― 2006/04/20 19:28:05

>コミケとかコミケとかコミケとかコミケとかな。
そっちかよ!
というかそうなのかよ?!(毒電波で通信妨害!!?)

ケータイに限る話じゃないけど、あくまでこれらは”道具”なわけで、結果は”使用者”の使い方に委ねられる、つまり使っている側の責任だと、余りにも当たり前すぎてバカバカしいけどそう思うわけです。それが如実に現れるのがWinnyパソコン駆逐計画(防衛庁)。
たぶん、ケータイが無い世の中でもヒキはヒキのままだよ。
(新しいPC買ってもny突っ込むバカは消えない)

>便利≒怠惰ということになるわけで
否定できんw
クルマがどんどん多機能で便利で安全になっているのに事故件数が増えている罠。

_ 久遠 ― 2006/04/30 11:59:44

なんか、ここに書き足すのも筋違いな気はするが、まあ文句言った人は全員見てるだろうし、正直携帯だと打ちづらいので言葉足りなかった面もあったからここに補足。

ここの文・むしろコメントを読むにつけ思うのがさ、例えばそこまで携帯とコミュニケーションについて多少なりとも考えを巡らせた人間がさ、平日の昼間に社会人に対して五分おきに三通も四通もメールを送りつけるような状態を習慣で行えちゃうことに、すごい矛盾を感じるのね。
というか、正直残念で仕方なかった。

こういうのは、文句言われた時点で社会人失格だと思うし。(だいたいは文句言うまでもなく黙殺でしょ。)

まさに、携帯は使いよう・コミュニケーションがうんたらかんたらとか言ってるならさ、その時に自分はモラルを守って、携帯ってツールを使ってるかな?とか省みたりしないもんかな?

まあ、この辺はまさしく自分も反面教師にしないといけないなと思ったんだけど。
どうせ、議論するなら、少しは実生活の身にならないと、結局ただ頭でっかちにへ理屈こねてるだけじゃんって感じになっちゃうし。

メールの一斉送信に関しては、鳩とかご飯とかおもろいのも多かったし、個人的には楽しみだったんだけどさ。
感想文まで全員に送らなきゃならんのか、とか、そもそも2ch用語まるだしでおまえはがきか、みたいなつっこみもあるわけですよ。
まして、会社でバイブモードとは言えひっきりなしに着信がつくような状態がいたたまれないことをもっと想像してメールして下さい;

もちろん、わかってもらえてるとは思うけど一斉送信そのものを否定したいわけじゃないのよ。
結局は、ツールは使いよう。 結果が相手にどういう状態をもたらすのか・・・ むろん、今回は私が被害者になったが、私だって気づかずに傍若無人に振る舞ってることもあるわけで・・・

今回は、自分が思ってる以上に、うちらツールに振り回されてんよね、と痛感した故まとめてみました;

_ T.MURACHI ― 2006/05/02 10:28:15

うん、ごめん。筋違い。
内輪じゃない人が読んでも何のことやらさっぱりだし。

なにわともあれ、仕事時間中にケータイメールを使いまくるのはやめませう。
spam メールならフィルタリング設定したりメアド変えたりといくらでも対処のしようはあるけど、仲間内じゃあ対処のしようがないからね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
おいらがやっている会社の名前をひらがな4文字で。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://harapeko.asablo.jp/blog/2006/04/19/333575/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。