文脈に沿った議論なのかどうか疑問ではありますが。2007年03月02日 20時46分19秒

前者を全文目を通してから後者を読むと、得も言えない違和感を覚える。分裂勘違い君の記事自体には概ね賛同できるんだが、それを梅田氏の記事への突っ込みとして読もうとすると、それってどの程度のスパンで文脈読んで突っ込んでるのかなぁ、という気がどうしてもしてしまう。

なんつって、おいらも梅田氏のブログ記事も書籍もあんまり目を通してないんでエラソーなことは言えんのですが (^_^; 、しかしながら、本当に「努力すれば何とかなる」なんてことを梅田氏は言いたいのだろうかと。少なくとも、

オプティミズムとは、まったくもって「意志」の問題なのである。死や病を免れ得ない人間にとって、悲観主義こそ「自然」で「生来」なものなのであって、オプティミズムとはそれを超えていく意志のことなのである。「これから直面する難題を創造的に解決する」ためには、我々一人ひとりがオプティミズムという「意志」を持つことがどうしても必要不可欠なのだ、ということを、僕はいまも相変わらず言い続けたいのである。

と書いて、「意思を持って行動することの重要性」を説いている梅田氏に対して、

しかし、悲観主義が「自然」で「生来」であるのと同じくらいに、オプティミズムもまた「自然」で「生来」なのだ。

なぜなら、人間誰しも、死や病を免れたいと望むからだ。

オプティミスティックであろうと、ペシミスティックであろうと、意思の有無に関係なく、死も病も、超えられないときは、超えられない。

などと説いてみたところで、そりゃー心に響かないだろう。「んなこたぁわかっとる」っつって一蹴されるだけじゃん?

で、まぁそれはいいとして、今回の分裂勘違い君の記事については、以下のパラグラフが肝になるんではないかと思う。

だから、人の心は、その苦しさに耐えられず、(B)現実・真実・事実を見極めたいとは思いつつも、結局、(A)ペシミズムかオプティミズムかのどちらかに堕落し、逃げ込んでしまう。

この苦しさ、恐らく多くの人が体験しているであろうにもかかわらず、その苦しさに対して現実味を抱いている人というのは少ないんじゃないか、という気がする。まったく以って、梅田氏の記事の文脈にはまったく沿わない話題で非常に申し訳ないのだが。

梅田氏はウェブ進化論で「日本にはオプティミズムに支えられたビジョンが無い」みたいなことを書いたんだそうですが、その一方で、日本のメディアのいたるところにおいて、そりゃーもうおいらの感覚からすれば異常なくらい、「頑張る」という言葉が氾濫しまくっている。だからおいら的には、むしろ日本人には楽観主義的思考を好む風潮が根強く浸透しているんじゃないかと思っている。少なくとも表面的にはね。でも、恐らく梅田氏が言いたいのはそういうことじゃあない。

梅田氏は「ビジョン」と言っているわけだ。「ビジョン」が重要であるといっている以上、ビジョンを示せない状態でただただとにかく「頑張ろう」とか言ってみたところで意味が無い、という意味も含まれてくることになる。何を頑張るのか? そして、それを頑張った結果、どのような利益が期待できるのか? そして、それらの利益や行動の、どういう部分に興味を抱いているのか? それらを説明できない状態では、オプティミズムに支えられたビジョンがあるとは言えないのではないか。

そして、ビジョンを持つという事は、すなわち、分裂勘違い君が言うところの、(B)現実・真実・事実を知りたい。という部分が、彼らの必要に応じて既に実現されていることを指すのではないか? だとしたら、根本的に二人が指向する考えのベクトルは、同じ方向を向いていると言わざるを得ないのではないかと、おいらは思う。

どうなのよ? その辺。

個人的には、ビジョンの無い楽観主義思考にはうんざりしている。思いやりの無い「頑張ろう」が氾濫しすぎていると思う。気分障害者が治癒に専念できないのも無理は無いよと本気で思ってしまう。彼らを見ていれば分かるが (いや、見なくたって想像できて欲しいくらいだが)、そこに思考が存在しなければ、楽観も悲観も実は似たようなものなのだ

しかし、それが「ビジョン」であるという以上、梅田氏の言葉ぐらいは評価されても良いと思いたいのだ。なぜなら通常、思考がなければ「ビジョン」が展開されることなどあり得ない筈だから。もちろん、ビジョンである以上、そこには「(かつて絶望の存在した) 過去への反省」も含まれているはずだ (ブラウザ戦争なんてその最たる例じゃん?)。そして、実現可能性に勝算があるからこそ、強い意思を抱くことが可能なのではないかと。敢えて代弁するならば、日本に (風潮として?) 足りないのは、その「実現可能性の勝算を評価する」ことを直視しようとすること、なのではないか、ってことなんではないかと、おいらは思うのだが。

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