赤ちゃんポスト2006年11月11日 00時37分45秒

TB ゴミの中から探し出すのは大変だろうけど、間違って消さないよーにな>@DRK。

んで、個人的には正義感主体の議論にしてしまうのはどうかと思うので、現実主義的に見つめてみたいと思う。

実際、不幸な出生、中絶というのは存在し、そして存在し続けるのだろうと思う。これは何も日本に限ったことではないし、そして重要なのは決してモラルの問題とは限らないということだ。だから「要らない子どもを合法に捨てる為の設備」と決め付けて議論するのはマズい。具体例を挙げるならば、家族の中で常習化してしまった性的虐待とか (母体の精神状態に問題がある場合、中絶が危険を伴う可能性もありうる) (無論、日本国内とて例外ではない)。

ドイツが先例ということで、ドイツでの運用に軽く触れている以下の記事もポイントを示しておこうと思う。

◇赤ちゃんポスト 病院などが設置した「ポスト」に、養育できない赤ちゃんを親が運び入れる仕組み。内部は暖かく、入れると看護師がすぐに取り出すシステム。ドイツでは00年に取り組みが始まり、05年現在で78カ所が存在。その後も増加傾向にあり、ドイツ以外でも設置する国は増えている。だが、ドイツでもいまだに法的な位置付けがあいまいで、設置以後、捨て子が増えたというデータがない一方、保護者による乳児殺害が減ったというデータもなく、評価の是非は難しいという。

上記強調は T.MURACHI によるもの。この状況はおいら的には想像通り。国家公認で (法運用的には実はちっとも公認ではなくむしろグレーゾーンなわけだが) 子を捨てられる施設ができたのだからこれからは何も気にすることなくどんどん中田氏しようとか考えるような馬鹿は、そもそも子どもが出来てしまった場合のことになど想像は及ばず、既に大絶賛中田氏実施中ないのではないかと思う。馬鹿は今まで通りむちゃくちゃな性交渉を続けるだろうし、これまで聡明だった人間が「赤ちゃんポストができたから」とか言って安心して無茶な性交渉をし始めるなんてこともそうそうないだろう。

ただ、運用面においては気を配って頂きたい部分は多々ある。@DRKも指摘しているが、匿名で、というのはやはり無理があるのでは無いだろうか。

おそらく「匿名」というのは、とにかく乳児の救命を最優先と考えた上での提案であるとは思う。母親が施設の利用に抵抗を感じるようでは、そもそもこの施設が作られる本来の意図に対して、意味が無いことになってしまう。

しかし、お互いに連絡を取り合う方法で、もっと良い方法は考えられるのではないかとも思うのである。たとえば「赤ちゃんポスト」が存在する場所が自明であるならば、いくら匿名にしたところであまり意味は無いだろう。人の目は当然あるわけだ。それに親が届けに行くスタイルというのはつまり子を育てる能力がないことを自己申告させるということになるわけだが、それでは児童虐待は減らない。何故なら多くの児童虐待は、親が子を育てる能力がないと親自身が自認した結果起きるというわけではないからだ。

おいらとしては、施設の存在を十分に広報した上で、電話等による連絡を受け付け、近隣住人の目に付かない場所を指定した上で直接引き渡す、という形が最も現実的なのではないかと思う。できればその際、親に対する面会によるカウンセリングが実施できればなおよいのではないかと思う (これによって親に「理解者」として認められれば、最終的には結局親本人の下で子育てが行われるきっかけになるかもしれない)。やるならそのくらい繊細な運用が必要なのではないか。

とにかく、その場限りの対策では不十分だし、場当たり的な対応では、結果的にはいろんなしこりを残すだけなんではないかと思う。里親だって受け容れには限界がある。逆にポストの利用が広まれば、今度は子どもを受け容れる里親が「商売」として不健全な形で増える可能性もありうる (さらには文科省系官僚の天下りの温床になったりしてな)。

ただ、不幸な乳幼児を救うべく、このような行動が試みられようとすること自体は、おいらとしては歓迎したいところだし、またそれを機に、こうしたことが議論として高まってゆくのであれば、それもまた歓迎すべきことなのではないかと思う。よい意味で関心が高まれば高まるほど、国民的リテラシーの底上げも期待できる。しかしながら、国民的リテラシーの底上げを期待できるような報道のされ方を、今のマスコミには到底期待できないところが激しく悩ましいところなのではあるが。。。

コメント

_ @DRK ― 2006/11/11 09:24:19

消すとこだったw

面会方式は確かに現実的かもしれない。会ってくれれば、の話だが。
DQNにしろ本当にのっぴきならない事情がある人にしろ、そういった関係者に会う時点での壁は低くない。
ただ、同時に相談乗ってくれる、というのも実に良い事だと思う。困っている人なら何がしかの希望にもなる。ただの引取人よりは会おうという気持ちになるかもしれない。
DQNはウザがるだろうけど。

已むに已まれる事情とはいえこのような施設が出来ることは歓迎しても良いが・・・浸透するかどうかは別。
今までの日本にない異質な施設である事、世論は否定的であろうという事(自分じゃアクション起こさないが)、利用者が増えるかどうか疑問である事(増えるのが好ましいとは言わないが)。

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