脂雨の降る街に。2006年12月16日 22時25分19秒

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銀天公社の偽月

(椎名誠 / 新潮社)

「銀天公社の偽月」 (椎名誠 / 新潮社)。でろでろぬらぬら。

銀天公社の支配下に置かれた街、いびつな形をした偽の月。街には脂雨が降りしきり、川は汚れ、汚染された海からは臭気が立ち込める。街には「知り玉」が飛び回り、住人は常に監視下に置かれていた。— そんな世界を舞台に、いくつかの場面で、それぞれの人々が、それぞれに力強く生きる様を描いた、短編集。短編集なんだけど、世界観は繋がっているという、そんな感じの一冊。

読んでいて途中までは、お話ごとに場面や主人公が異なるので、「武装島田倉庫」みたいな構成になるのかと思ったのですが、最終的に、物語はちっとも回収されず、最後は書き下ろしの、鳥人間になった中国人のおっさんがべしゃっているだけの話で終了。結局短編集だったということが分かり、まぁそれはそれでいいし全体として面白かったのでいいっちゃいいんだけど、なんとなーく拍子抜けしたような。。。

でも SF 的な「世界観を楽しむ」という意味では、とても有意義な時間を提供してくれる物語群なので、SF 的世界観と人間ドラマが好きな人にはそれなりにオススメです。。。でも椎名誠の (SF 系、もしくは不条理系の) 小説を読んだことがない人は、とりあえずさっき挙げた「武装島田倉庫」と、以下の短編集のいずれかを先に読んでみる事をオススメしておきます。。。

順不同。こんなところかな。文庫版なのに絶版が多いな。。。(;_;)

コメント

_ @DRK点滴中 ― 2006/12/17 11:03:06

浴びちゃったんだなw>脂雨

_ T.MURACHI ― 2006/12/17 12:34:43

おいらは脂雨なぞ浴びるべくも無く、既に (そして常に) 体中脂まみれなのでありますっ

_ @DRK自主トレ ― 2006/12/17 14:30:58

威張るなwww 入院すると痩せるぞと言ってみるテスト

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